日常の喧噪から、癒されるおとぎの国へ

アラフォー男子と、アラサー女子の物語

僕は生まれも育ちも地元・浜松。大学で東京へ行ったものの、地元の大手輸送機器メーカーの営業部に入社したのはかれこれ20年前のことだ。セールスやマーケティングの部署を渡り歩き、海外店舗の駐在で数年間外国の空気にも触れる貴重な経験もした。今は国内マーケティング部署で部下8人を持つ管理職をしている。
41歳で独身。結婚をしたいとも思うが、今のなに不自由ない生活にも慣れてしまって。

最近東京で働いている5歳年下の妹・ノゾミから頻繁に電話がかかってくる。
ノゾミも営業職としてバリバリのキャリアウーマンだし、東京という場所柄ストレスも多いのだろう。年も年だし、考えることも多いのだろうか。

今度の週末にこちらへ久し振りに戻ってくるらしいから、
たまにはゆっくり聴いてみてあげようか。。

『○×時△□分の新幹線で帰るから、迎え来て』

メッセージが入る。
おいおい、こちらの都合を聞かずかよ。
まぁ、仕方ないな…。

・・・・・・・・・・

『カズくん久し振り!』

ビシッとしたカジュアルフォーマルな服装に、でも女性らしさも感じさせるアクセサリーや色使いがあり、さすが東京でバリバリ仕事しているだけあって自信と力強さのオーラを纏っているかのようだ。

『ねぇ、私をどこへ連れて行ってくれるの?』

ほう、そうきたか…。随分お高く留まるようになった。
男性社会へ入り仕事に集中していくと、女性も男性化していくのは本当なのかもしれない。

たまにはゆっくりとリラックスするのがいいだろうと思い、最近リニューアルをした浜名湖畔にある「ぬくもりの森」へ行くことにした。

今まではぬくもりの森へ自由に出入りできたが、今回の駐車場が無料になり、ぬくもりの森に入場料(300円)出して、ここの世界観を体験する形になった。ふたり分のチケットを用意する。

「ノゾミ、この場所は知ってる?東京でもなかなか見られない場所だと思うぞ。最近吉祥寺に『吉祥寺プティット村』って出来たんだけど、そこもぬくもりの森と同じコンセプトでつくられてるんだ」

『うん、知ってる。中世ヨーロッパの森のなかに入り込んだようで、建物もカワイイつくりになってて、癒される場所なんだよね♪あたたかみがあるから、ぬくもりの森って名前で』

駐車場から坂を上がると、そこには…

「佐々木茂良さんって建築家がぬくもりの森をコツコツつくりあげたんだけど、お父さんが工務店の棟梁でずっと手伝いをされて、そこから独学でヨーロッパ建築を学びつくり上げた世界観なんだよ」

中世ヨーロッパの農村をモチーフにしたこだわりの建物

外観だけではなく部屋もこだわりの姿

隠れ家をほうふつとされる造りにワクワク

『こんな仕事、素敵だわ!』

ノゾミもここを気に入ってくれたようだ。

「ほら、これ食べろよ」

滅多に食べられない「ポンデピエール」のホットサンド、タイミングよく今日出店していた。

サンドのサクサク感とチーズのコクが口のなかに拡がります

『ありがとう!これ、美味しいね!』

「仕事は順調なのか」

『もうね、楽しくてしょうがないのよ。男性も女性も関係なく成果を出せば評価される。そんな差別がない環境がもうサイコーなのよね!』

「お前を見てると、全身から戦闘力漲っているのが伝わってくる(笑)」

『自分の努力が全て返ってくるし、仕事ができるようになってくると責任あるポジションを任せてくれるし、プレッシャーも凄いけど…、これをどうやって超えようか考えて成功した時の達成感は何事にも代え難いわ』
『それに収入だって自分で稼いでるし、忙しければ忙しいほど燃えるものでしょ?』

「止まったら死にそうだな(笑)。そんなに張り詰めていたら、糸切れたとき大変だぞ?こんな可愛い雑貨なんかも、お前の“見た目”には合うけど、“中身”とは合わないかもなー」

躍動感ある可愛いかえるを購入してみた

『カズくんは余裕よねー』

『で、いつまで独身でいるつもりなのよ』

「お前、自分のこと棚に上げて…。 今まで時代ごとに相手も居たし結婚を考えたこともあったけど、今40代は残りの人生を考えたときに大事な時期だとも思って。企業のなかや社会でも責任あるポジションだから、目の前のことがまず大事だし、けど何かするにも体力ある今しかない、とも思うし」

「でも、そうした比較のなかで、疲れたり自信失くすことだってあるさ。お前からみれば『気楽な独身貴族』って見えるかもしれないけど、『俺はやれている』って思いが満たされないこともある。ひとりの女性すら幸せにできないのか、俺は…と感じることもある」

バルコニーで物思いに耽る…

「最近できたジェラートがあるんだ。食べようか」

特製ジェラートは種類が豊富

『季節によって限定のジェラートもあるんだ~。暑い夏には嬉しいね♪』

季節限定のジェラートも楽しめます

『カズくんは真面目ねぇ。私の周りに居る付き合いのあるオトコは、とにかく行動も手も早いのよ。優秀で尊敬出来て、カッコイイ人ばかりだわ』

「お前だって、独身じゃないか。こないだもほら、あの子。お前と高校で仲良かった子結婚したって聞いたぜ。どんどん取り残されていく(苦笑)」

『私をそんじょそこらの売れ残りアラサー女と一緒にしないでくれる?』

『20代の私を知ってる人たちだって、“今のノゾミの方が昔よりずっと魅力的”とか“ノゾミならいくつになっても結婚できるよ”って口を揃えて言うんだから。今も経営者の集まる食事会とか、年下の御曹司やイケメン外資系コンサルタントからのデートの誘いばかりだし。相手には困らないわ』

『それに、結婚とか出産とかでキャリアを中断させたくないの。だってそれで離れちゃったらもう置いてかれちゃうんだよ?時間も収入も自由で自分で選べてるのに、結婚するならそんな生活をさせてくれる相手じゃなきゃ』

こんな妹も、ぬくもりの森の雰囲気は優しく包んでくれているかのよう。

「たしかにチヤホヤしてくれる男も山ほどいるだろうよ。だから、『たった一人の男に縛られる結婚なんてゴメンだわ』、それも分かる。でも俺は男だからまだ世間の目は良いけれど、いい歳してちゃんとした相手も居ないなんて、『あの人は人間味がないのね、人として欠陥があるんだわ』なんて思われてないか?内心バカにされてるかもしれないぜ」

『この私がそんな風に?バカにしないでよ!結婚が人生の全てじゃないし、そこにしか幸せを見付けられない、人に頼れないと生きていけない女子と一緒にされたくないわ。でももし良い歳して“独身はイタい”って思わるのはバカバカしいけど、放置するのも口惜しいから…確かにそろそろ一回くらい結婚しておいてもいいかも知れないわ』

「ほう。で、ならどんな相手がおノゾミなんだ?」

けっこう話し込んだのか、いつしか夕刻が近づきランプも灯りが色づき始めた。

『年下は遊ぶには良いが長時間一緒にいるには疲れるだろうし、かと言って40歳以上の“オジサン”も遠慮だわ。仕事がデキるのは大前提だし、外見だって身体がダラしないのは勘弁だし、生活リズムをきちんと管理できるストイックめな男がいい…』

「はは…それで一回くらい結婚って、そんなの止めとけって。そんな氣持ちでいてお前の見栄のために捕まる相手が可哀そうだ。そもそもそんな相手はもう結婚してるだろうし。」

「お前さ、条件で相手選ぶとお前も条件で選ばれるよ」

「男性の中で結果出していくんだから肩肘張るのも分かるけど、自分の感情も正直に感じればいいと思うし。超えよう超えようって進んでても、超えたら次の壁が出て、また超えて、また出てきて…の繰り返しは疲れる。万人受けはできないからさ」

「ここだって、このメルヘンでヨーロッパのような世界観が好きですって人もたくさん居れば、警備員やらショップ店員が多くて世界観が台無しなんていう人も居る。でも周りと比較せず、『ここの場所は、こうなんです!』がぶれないからそれを心地よく感じる人が来る」

「自分が好き勝手しているつもりでも、裏腹な感情持ってて、そこに蓋してたら疲弊しちゃうからさ。ほかと比較しないで、楽しいことは楽しい、寂しいのなら寂しいと、認めてそこからじゃあどうしよう?って。俺が管理している部署にもいろんな部下がいるし、バリキャリ女性も居るけれど、認めてあげるとニコニコして自然な状態で仕事も成果、出すようになった」

「ほら、ここから外を見てみろよ。素直なハートを通せば、見える景色も変わってくるだろうぜ」

素直な氣持ちでその先を見えれば幸せ

『カズくん、ありがとう。本当はね、こうして言ってくれる人が居て欲しいんだ。私だって。きっとカズくんより先に良い人見つけて報告する!』

「だから、俺と張り合うなって(笑)。また浜松帰ってこいよ。ぬくもりの森には、癒しと氣持ちがホッとするぬくもりがあるからさ」

いつしか夕刻になり、優しくあたたかな光が灯る、ぬくもりの森。
日常のなかの非日常空間で、仲良い人・氣になるあの人と時間と会話を共有してみませんか?夕暮れのぬくもりの森は普段と違った表情を見せて、またいっそう魅力的ですよ。

【駐車場情報】
2018年8月より第2駐車場が閉鎖されて、拡張第1駐車場(無料)になります。

浜松西ICから一度北へ高架をくぐって現地へ。

すじかい橋交差点手前で、左折で駐車場へ入場します

ぬくもりの森
住所 〒431-1115 浜松市西区和地町2949
電話 053-486-1723
URL http://www.nukumori.jp/
入場時間 10:00~17:00
休業日 木曜日(木曜祝日の場合は前日水曜日)
入場料 中学生以上:300円
駐車場 すじかい橋交差点に無料Pあり
静岡県浜松市西区和地町2949

ABOUTこの記事をかいた人

藤村紀和

今日もバイクの街はーまつが生んだポンポン「スーパーカブ」で走る、遠州率は100%・歴史(徳川よりも今川派)とスイーツ(毎週ソフトクリーム食べてます)と都市伝説が好きな、セールス売上げ着火ライター