【シリーズ遠州人】伝え続ける酒づくり職人

今回訪れたのは、浜松市浜北区にある花の舞酒造さんです。
花の舞酒造の杜氏(とうじ)である土田さんにお話を伺いました^ ^

杜氏ってなんだろう??

杜氏(とうじ)って聞き慣れない言葉ですよね。
簡単に言うと「酒づくりの最高責任者」のこと。
酒造りの技術はもちろんのこと、酒造りの複雑な工程を統率し、判断力、管理能力に秀でていることが要求されるお仕事です。

P1030393
P1030464

特に江戸時代以降、酒造りに必要とされる技術が高度化し、日本酒造りには繊細で非常に複雑な工程と高度なテクニックが必要になりました。
近年技術の発達により機械による管理が出来るようになったとはいえ、杜氏の長年のキャリアとそれに支えられた勘が酒の出来映えに今も大きな影響を与えていると言われています。

 

あこがれを仕事にする

えな
なぜ杜氏になられたんですか?
土田杜さん
小さい頃から理科や化学が好きで、顕微鏡をのぞいたり微生物なんかが好きでした。
他の勉強はまるっきりダメでしたけどね(笑)
酒づくりも理科や化学に近いし、酒づくりに使う酵母菌や麹菌なんてまさに微生物だから、やっぱり好きなことを仕事にできるって幸せなことですね。
P1040126

杜氏は全国的に出稼ぎが多いそうなのですが、土田さんは花の舞酒造さんの社員杜氏です。

70歳を超える杜氏が多い中、土田さんはまだまだ若手なんだとか。
今では杜氏組合の会長をされている土田さんですが、杜氏になりたての頃は33歳ということでナメられていて、つらいことも多かったとお話ししてくださいました。

 

生き物と共にある人生

土田さんは北海道の網走のご出身です。
海の近くで生まれ、冬には流氷が流れてくるそうです。

吹き出し
土田さん
小さな頃は流氷に乗ってくるアザラシの赤ちゃんと一緒によく遊んでましたね。
えな
アザラシと遊ぶなんてなかなかできないですよね〜!

他にも釣りやモリつきをしたり、野鳥を捕まえてはよく外を駆け回っていたそう。
お父さまの転勤で、小学校1年生の時に浜松に引っ越してきました。

とにかく生き物が大好きで、中学生の時にはプランクトンなどの微生物に興味を持ったのだとか。
犬、猫そしてイグアナまで飼っていたというのを聞いて私は驚きました。
今は熱帯魚にハマっているのだそうですよ。

杜氏&鈴木会長
土田さん
酵母菌や麹菌を扱う酒づくりの仕事が自分にとても合ってますね。

土田さんは笑顔で語ってくださいました^ ^

 

酒づくりは大変なぶん喜びも大きい

日本酒は動物なんかと一緒で生き物なので1日たりとも放っておけないものなんだそう。
毎日しっかりと愛情を注ぎこまなくては、おいしいお酒にはならないと言います。
なので新米が獲れる9月から日本酒が出来上がる春先まで、職人さんたちは1日も休まないそうですよ。

土田さん
仕事を頑張りすぎちゃうと視野が狭くなってしまうんですよ。
イライラしてしまう自分をコントロールするのがとても難しくて大変ですね。
P1030562

そのぶん、杜氏になって嬉しいこともありました。
名古屋の品評会で出したお酒が入賞。

認められた、ホッとした、売っていいんだ、と心の底から思ったのだそう。
全国の品評会に出す権利をもらって、杜氏になって1年目で金賞を受賞したんです。

とっても嬉しかったと語ってくださった土田さん。

土田さん
とにかくがむしゃらにやってましたね、これでいいのかって。
金賞を受賞したことがきっかけで自信が持てて、次第にマスコミにも取り上げられるようになりました。

しかし、今度はそれを続けていかなくてはならないというプレッシャーがありました。
それをやる気に変えてまたがむしゃらに頑張って、県の品評会では4年連続1位を受賞しました。

P1040105
えな
頑張っただけ嬉しさも倍増しますよね^ ^

決勝で戦って負けたのは、土田さんがあこがれている酒造さんだったそうです。
負けても仕方ないなと思うけど、やっぱり悔しかったと語る土田さん。

その酒造の杜氏さんは、土田さんに酒づくりのことを色々と聞いてくれるのだとか。
ライバルなのに色々と聞き合う、そんな職人さん同士の信頼関係が見えてきました。

えな
仕事をする上で大事にしていることは何ですか?
土田さん
自分が好きか好きじゃないかってことですね。
何でも納得してやりたいと思っています。
やらされてる感は嫌なんですよね。
自分から前向きに仕事したいと思っています。
お客様やいろんな人と合って、意見を聞くようにしていますよ。
どうせ仕事するなら楽しくやりたいじゃないですか。
P1040104

職人さんって堅物なイメージがあったのですが、土田さんにお会いして、職人さんのイメージが変わりました。
とても気さくで、笑顔の素敵な杜氏さんです^ ^

 

花の舞は日本人らしい酒

そんな土田さんが作る静岡のお酒は、マイルドな味です。

土田さん
水がいいんだよね、ここは。
P1030518

浜松の地下から水を汲み上げてつくっているお酒は、綺麗で丸いことが特徴です。

土田さん
新酒はイガイガ、ピリピリするものが多いんですよ。
でも静岡のお酒は飲み飽きしないんです。
食前にも食中にも食後にもとても合いますよ。

静岡のお酒は、日本人の好みに合うようにあえて香りを強くしないのだとか。

P1030486

人には五味と呼ばれる味の感覚があるそうです。
「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」の4つとあともう一つの味、それは・・・

「旨味!」

この旨味は日本人にしかわからないらしく、アミノ酸などいわゆるだしの味のことですね。
良い原料でつくられたお酒は、日本人に合った美味しいお酒になるそうです。

 

メッセンジャーになってほしい

花の舞の今の杜氏は青木さんという方です。
土田さんは実は名誉杜氏なんです。

土田さんに次世代の方に期待することを聞きました。

土田さん
今の時代いい酒を作るだけではダメなんです。
一昔前は職人気質で、「俺の酒はこれだ!文句あるなら飲むな!」で良かったかもしれません。
でも時代は変わったんです。
スタッフや仲間、お客様も含め、時流に合わせたお客様が求めているお酒をつくることが大事なんです。
自分のエゴではなく、いろんな人と話し合い、情報を集め、たくさんの人との関わりの中で、今求められている最高のお酒をつくる。
これが本当の杜氏なんです。
そして「つくる」だけでなくそのお酒の良さをしっかりと「伝える」杜氏になってもらいたいですね。
これからの杜氏は「つくる人」から「伝える人」にならなきゃね。

職人はメッセンジャーにならなければ本当の職人ではない

作るだけは自己満足の世界、それを伝えていかなくて職人ではないとお話ししてくださいました。

P1040055
土田さん
酒づくりは農産物なので毎年違うんです。
去年こうだったから今年もこれでいい、ではダメなんです。
次世代の杜氏には、観察力と洞察力を身につけて、今年の米に合った酒づくりをして欲しいですね。
自分はそこにアドバイスできる杜氏になりたいですね。

土田さんにはもう一つ夢があります。

土田さん
浜松っていいところなんです。
たくさんの方に来てもらって美味しい料理と美味しいお酒を飲んでもらいたいですね。
浜松はものづくりの街ですが、「もの」だけでなく「こと」で盛り上げていく「おもてなし」や「おもいやり」の活動をしていきたいと思ってます。
山田錦研究会 in 圃場

花の舞酒造さんのお酒は100%県内産のお米を使っていることも特徴の一つです。
自慢できる静岡の美味しいお米を使用しているのも、花の舞酒造さんのこだわりなんですね^ ^

浜松は良い素材がいっぱいあって自慢できるところがいっぱいありますよね。
浜松をもっと盛り上げていきたいとお話ししてくださった土田さんは、まさに遠州人が自慢したくなる名誉杜氏さんです^ ^

 

そんな土田さんが好きなもの

一つ目が、佐鳴台にあるイタリアンのお店で食べることができるピザです。
巻いて食べられるほど薄いピザがとても美味しいんだそうです。

pizza-1150031__340

一人で切り盛りするイタリア人のオーナーさんも土田さんは好きなんだとか。

土田さん
のんきにやってて面白い人だよ。

二つ目は住吉にある焼肉屋さんのお肉です。
お肉はもちろんキムチも絶品なんだそう!

花の舞酒造さんの生酒が置いてあるので、自分たちがつくったお酒を飲みながら食べると最高なんだとか。
取引先の方とよく行くお店なんだそうですよ^ ^

P1040120

最後に、酒蔵に隣接されている花の舞酒造さんのお店にも寄らせていただきました^ ^
たくさんのお酒があってどれにするか迷ってしまいますね!

P1030641
P1030649

杜氏さんオススメの大吟醸から女性でも飲みやすいシャンパンのような日本酒などがありますよ♪
試飲もできますので、遠州が自慢するお酒をぜひ味わってみてくださいね^ ^

 

花の舞酒造株式会社
住所     静岡県浜松市浜北区宮口632
電話番号   053-582-2121

静岡県浜松市浜北区宮口632

蔵見学
見学実施時間 10:00〜18:00
所要時間   30分〜60分
駐車場    無料(バス3台まで収容可能)
休業日    年始(1月1日〜5日)
人数     1〜50名様
料金     無料
予約直通   0120-117-322(10名様以上の団体様は予約してください)