浜松餃子と並び立つ!浜名湖名産『うなぎ』の食べ方は井伊家も頷くサムライ流!

今年の大河ドラマ「おんな城主直虎」もいよいよ残すは最終回、長きに渡る戦国ドラマも終焉を迎えます。
そしてこの時期、時を同じくして浜松名産のグルメもいよいよシーズンオフに。
何かって?そう、これ。

はい。うなぎです。
浜松といえば今や全国区の「浜松餃子」が評判ですが、まだまだ歴史では浜名湖うなぎには敵いません!浜松に住む私も昔からうなぎには馴染みがありました。しかし日本人はもっともっと古くからうなぎに親しんできたんです。今回は浜松餃子にも勝るとも劣らない、浜松グルメの王様うなぎのご紹介です。

◆日本人にふるくから親しまれているうなぎ

うなぎっていつ頃から食べられていたかご存知ですか?
実はなんと!最も古いのは約5,000年前、縄文時代の貝塚からうなぎの骨が出土しています。他の地域の貝塚からもうなぎの骨が出土していて、それだけ古くからうなぎは食べられていたんですね。
うなぎが文献に初めて登場したのは「万葉集」です。

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このなかで、「夏バテで痩せてるあなたには、うなぎを食べるのオススメですよ」と書かれています。この頃から既に、栄養価満点の滋養強壮効果があることを知っていたんですね。蒲焼きが始まったのは室町時代、今からおよそ600年前です。今の開いた蒲焼きスタイルになったのは江戸時代の後期と言われています。

※ちなみに。餃子を日本で初めて食べたのは水戸黄門と言われている。広く焼き餃子が食べられ始めたのは戦後からだが、浜松では太平洋戦争前から浜松在住の中国人がお店で焼き餃子を提供していた。

◆貴重な資源、天然うなぎ

みなさんはどれくらいの頻度でうなぎを食べていますか?浜松は、うなぎ蒲焼にかける一世帯あたりの年間支出額が日本一(平成20年総務省家計調査調べ)なんです!浜松餃子も食べるがうなぎも大好きな街なんですね。
街のうなぎ屋さんやデパ地下、スーパーの総菜売り場、牛丼屋でも見かけますね。色々なところで売っていて、目にする機会は大変多く、場所によって値段もまちまちです。ただ、天然モノに出会うことは滅多に無いですし、なかなか見分けをつけられず分からないです。

日本国内の天然ウナギ漁獲量は年々減っていて、2015(平成27)年には供給量51,139トンに対し漁獲量でわずか70トン(※水産庁調べ)。割合でいけばなんと0.14%…。今や、大変貴重な「うなぎ」となってしまいました。

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浜名湖ではこの貴重な「天然うなぎ漁」を100年以上続けています。小型の定置網で行なう角立漁と、つぼ漁の2種類の漁法で、毎年5月上旬から12月の朝4時~7時ごろの早朝に漁を行っています。

漁師さんも昭和30年代には30軒以上あったのですが、今では数軒となってしまいました。漁獲量も1日にわずか10~20kgと激減しているため、めったにお目にかかれません。漁獲されたうなぎの多くは、東京の高級料亭や高級デパートに出荷されていきます。

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そもそもうなぎの生態は謎が多く、天然モノのように成長する過程もよく分かっていないんです。だから養殖うなぎとモノが違うのかもしれませんね。

◆うなぎを守る

一時期ニュースでも取り上げられましたが、天然モノだけではなく養殖うなぎも価格が高騰しています。天然うなぎは海で生まれたあと河川に戻って育ちますが、養殖うなぎは稚魚の状態(シラスウナギ)で捕獲し、養殖池で育てます。この稚魚がとにかく少なくなってるんです。

個体数の減少を受け、ニホンウナギは2013年2月には日本の環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されました。国際自然保護連合(IUCN、スイス)も、絶滅の恐れがある野生生物を指定する最新版のレッドリストに登録しています。
法的拘束力は無いものの、資源保護のために静岡県では静岡県水産資源課が2015~16年にかけて学術調査をしました。

その結果、県内の41河川でウナギの生息が確認され、このうち35河川では漁業権が設定されていないという結果(誰でも獲れちゃう)でした。資源保護のために毎年10月から2月にかけて、ウナギを禁漁する方針を決め打ち出しました。

静岡県内でウナギの漁業権を持つ15の漁協では既に禁漁期を設定しているため、この決定で今は毎年10月から2月にかけて一般の県民も対象に、ウナギ釣りなど漁が禁止されます。この期間は県内全域でウナギを獲れなくなります。
ウナギ釣りをやってる人、周りで聞いたことないんですが、まぁ「ウナギは貴重なんですよ」という意識づけ目的も大きいのでしょうね。
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同水産資源課の話では、青森、宮崎、鹿児島など7県で同様の対応をとっているそうです。
ただ浜名湖は対象外なんです。浜名湖は漁業法で「海」と位置づけられるため禁漁の対象外だということです。

◆天然うなぎが美味しい季節はあるの?

浜名湖周辺は気候が一年を通して温暖で日照時間が長く、浜名湖には小魚が多数生息してうなぎの餌としても豊富で事欠かなかったとか、また砂地が多くうなぎの生息に適した環境が揃っていました。

天然のうなぎは養殖よりもさっぱりしていて季節によって脂のりが違うのが特徴です。浜名湖の天然うなぎは十分に栄養を含み、かつ皮が大変柔らかいです。うなぎを食べるのに良いとよく聞く「土用の丑」は7月と8月に来ますが、実は秋口から晩秋にかけてが脂ののりが最高で、この時期が最も美味い旬の時期です。これも冬眠に備えて栄養を蓄えていくからなんですね。

うなぎは皆さんご存知、栄養たっぷりでビタミンもミネラルも豊富なスタミナ食です。成分としては、たんぱく質、脂質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1 、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、マンガン、銅、鉄、亜鉛などをバランスよく含む栄養素の宝庫です。

特にビタミンA(レチノール)の含有量が多く、中ぐらいの蒲焼きで成人所要量約2倍分摂取できますレチノールは、免疫力を向上させて感染症を予防する作用があります。
またビタミンB2の含有量も多く、摂取したエネルギーを効率よく変換してくれるほか、代謝をアップさせて脂質分解を促進し、動脈硬化や心筋梗塞などの防止に作用します。

◆サムライの 縁起を担いで うなぎ食う

うなぎの蒲焼が現在のような形になったのは、江戸後期天保年間(1781年~1789年。そういえば、天保の改革やった水野忠邦も浜松藩から老中として出世してますね)に、千葉県銚子の醤油問屋が濃い口醤油を作り出したことに始まります。この濃い口醤油が江戸人の嗜好に大ヒット!この濃い味つけで出来たタレがあって、うなぎの蒲焼きが今の形として見事完成し、現在まで変わらず続いているんです。

味付けで東西違いがあるんですが、調理の仕方も東西に違いがあります。
関東の調理:背開き
他の魚とは異なり、背中から裂く。開き→卸し→串打ち→白焼き(そのまま焼く)→白蒸し(せいろで蒸す)→タレをつけて焼く・・・と言う工程。

関西の調理:腹開き
他の魚と同様に、お腹から開いていく。開き→卸し→串打ち→白焼き(そのまま焼く)→タレをつけて焼く・・・と言う工程。蒸し焼きをしない。

江戸は武士の街ですから、町人の街大阪とは異なり背中開きなんですね。これは「腹開き=切腹」とサムライには忌み嫌われる行為になるので、それを避けて背中から裂くかたちになったと言われています。
浜松は背中から裂く調理法、関東流です。徳川家が浜松から江戸に移ったのですから、まさしく出世サムライの城下町浜松ですね。
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※ちなみに、東西の境目は愛知県岡崎市付近が有力だそう。
東西や今昔を問わず、「串打ち三年、裂き八年、焼きは一生」と言われるほどうなぎ料理を美味しく仕上げるのは、難しいとされています。

◆天然のうなぎを食す!

奥浜名湖の名店、うなぎの佐久米を訪れました。
お店構え描写、県外からも多数来店、土曜は開店同時に席が埋まってしまい、この日も雨が降りしきるなか開店と同時に30分待ちです。これでも早い方で。。
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この道ウン十年の大将、白衣をまとい素足に下駄スタイルで職人の雰囲気が良いですね~。いろいろお話しくださいました。冬場はうなぎも静かになってほとんど手に入らない、冬前は水温も下がってきて動かないから身が固くなってきて味が落ちるとか、泥吐きは2日が筋肉も落ちず食べるのに絶妙な日にちとか、さすがの博学!こちらのお話も味わい深いです。

「串打ち三年、裂き八年、焼きは一生」の言葉通り、手際よく捌きと串打ちをこなす大将。こんな薄い身に串が刺さっていきます。
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さぁ焼き上がり!重箱を開くとそこには・・・!
薄い肉がふっくら!蒸し焼きなしで、ただ焼くだけでこれだけの厚みが!これで値段は中サイズ3千円、今回一緒に同行した元料理人のライター師匠も驚き、今まで食べたうなぎで一番の味でしたと!
「蒸し焼きもしないで、あの薄い肉がこんなに厚み出るなんて、天然モノだなぁ!」
「頭に近いところと尻尾に近い部分の歯応えが違う!ふっくらから段々身がしっかりしてくる」
「嫌な脂分がなくて、白身なのにこのジューシーさは凄いな!でもしつこくない」
「噛めば噛むほどに甘みが増すんだね」
「肝すいの肝に臭みが全くない!これは美味い!!」
改めて天然モノの美味しさをありがたくいただきました。

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シーズンオフに入り天然モノはまた来年・・・となりそうですが、これはまた春に向けてお楽しみが先送りですね。あなたもこの味は、一度知ってしまうと他が食べられなくなってしまうかも!浜松餃子がB級グルメのトップなら、浜名個の天然うなぎの蒲焼きは、まさしく浜松グルメの王様に違いありません!

さくめ
住所   静岡県浜松市北区三ケ日町佐久米724-1
電話番号 053-526-1758
営業時間 11:00~14:00、16:30~19:00※うなぎがなくなり次第終了
定休日  月曜日または火曜日。両方休む週もあり、不規則なので要問い合わせ。店内に2ヶ月分の予定が貼ってあります
駐車場  あり(8台)
アクセス 天竜浜名湖鉄道浜名湖佐久米駅から徒歩1分
静岡県浜松市北区三ケ日町佐久米724-1

ABOUTこの記事をかいた人

藤村紀和

今日もバイクの街はーまつが生んだポンポン「スーパーカブ」で走る、遠州率は100%・歴史(徳川よりも今川派)とスイーツ(毎週ソフトクリーム食べてます)と都市伝説が好きな、セールス売上げ着火ライター