遠州の原風景に触れ語らう、最高の癒しタイム

「なぁ、この水はどう来てるのか知ってるか?」

父ちゃんが蛇口をひねりながら、こんなことを聞いてきた。
うーん….がっこうのせんせいもこんなことまでは教えてくれない。
ふーん….「だむ」に水を貯めて、そこから送ってきてるんだ。
水が出てくるのは当たり前なんだけど、その元が見てみたい!

そしたら父ちゃんが、いいところへ連れてってくれたよ。

………

この親子が訪れたのは、遠州森町の太田川ダム。
森町の鳥にちなんで「かわせみ湖」と名付けられました。

太田川ダムの別称「かわせみ湖」

ダムができた記念の石碑もあります

まだ完成して10年くらいの若いダムなんですが、
このダムには、こだわりや作られるに至る歴史がありました。

小さなダムだけど、知って欲しい!

「ダムはいつも寡黙に仕事をこなしている、そんなダムをだれが宣伝するのか」
という言葉が職員には引き継がれていて、積極的なPR活動が行われています。

ダムができた過程が手作りで貼り出されています

お便りもお手製で発行してPR

ダムの仕事は、「利水」と「治水」です。太田川ダムでは、水力発電の機能がありません。
このダムは40年前の七夕豪雨で起きた大災害がきっかけで作られました。
最近はまた集中豪雨の規模も頻度も増えているので、こうしたダムの存在は大きいんですね。

こうした豪雨で洪水警戒態勢になると、職員はここに泊まり込み警戒にあたります。貯水量と雨量を予測しながら、下流へ流す水量を調整していきます。

水量を調整しながら放流しています

また取水時もこだわっていて、農業用水では適した温度で取水することはもちろん、漁協とも密に連携して濁度や上流の水温等を総合的に調整して取水を実施しています。

こうした活動が行われていて、水が提供されていたり洪水から守られてるんですね。

小さなダムにも、歴史あり

この辺りは1,200年前くらいに、先住者が野山を切り開いて畑や雑穀を栽培して生活してきた土地。住居が十数軒、300人を超す集落だったとか。平家の落人もこの地域に多数流れてきたという。これだけの人が毎日食べていくのは大変!

きのこを自家栽培したり、
森で猪や野鳥を獲り、川で鰻や鮎を採り、
野草や山芋で生活していたそうです。

大日堂という御社や、数々の伝説も残る自給自足の土地。

片吹大日堂。子授り・安産祈願として秘かな信仰を集めてきました

道が開通したのも大正15年。しかも荷車一台通る道。

こうして先人が苦労して作り上げた場所が、今はダムの底に沈み静かに佇んでいるのです….
ありがたいことですね。

「これは子どもにも大人にも、いい社会科見学」

父ちゃんも一緒に説明を聞いて、ふんふんってたくさん頷いていたよ。
展望台もあるし、そこからアクトタワーも見れるんだ。今日は見えなかったけど。

遊歩道もあって、ハイキングできるんだね。ぼくはあんまりたくさん歩けないけど、大人の人達がよく歩きに来るんだって。家族できている人もいて、虫も鳥もたくさんいて、なんか楽しいね!

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このかわせみ湖、
ダム規模も小さいながらも自然豊かに整備され
昆虫や野鳥も数多くて公園もあって
遊歩道や展望台も整備されています。

休憩スペースや展望台も整備

お手洗いも遊歩道の途中途中に完備。
バイオトイレでキレイですよ。

太田川ダムの周辺は散策コースとして整備されています。

遊歩道やハイキングコースも整備されています

主なコースは1.3キロ(20分)、2.5キロ(40分)、4キロ(60分)の3コース。
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お昼はこの麓にある「アクティ森」というところで、
カレーを食べたよ。スプーンがスコップなんだ(笑)

堤防になってるご飯をスコップのスプーンで崩すと…

森町体験の里 アクティ森
住所 〒437-0204 静岡県周智郡森町問詰1115-1
電話 0538-85-0115
FAX 0538-85-0117
URL http://actymori.jp/
営業時間 9:00~17:30(12~2月は17:00まで)
定休日 水曜日(祝日・春・夏休み営業)
入場料・駐車場 無料
静岡県周智郡森町問詰1115-1
太田川ダム
住所 〒437-0202 静岡県周智郡森町亀久保地先
電話 0538-42-3211(袋井土木事務所河川改良課)
URL http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki/ootagawa1/
開門時間 平日・土日・祝日の10:00~16:00
駐車場 無料
静岡県周智郡森町亀久保地先

「さぁ、行こうか。次はこの近くに珍しい造りのお家、見に行こう」

この近くには、むかしの人が暮らしていたお家があるんだって!
どんなところだろう?

おー、すごい看板だ!
これは苔が削られてつくられてるの?目立つなぁ。

こんな看板、珍しい!

時間がゆっくり流れる古民家

この親子が次に来たのは、遠州森町の「友田家住宅」という国の重要文化財に指定されている古民家です。

茅葺き屋根が立派です

格子はオオカミ除けで頑丈なつくりです

友田家の祖先が土着したのは鎌倉時代からと伝わり、祖先は出雲の刀鍛冶だと伝わっています。
このあたりで砂鉄が取れ、昔から鉄作りをしていた土地でした。地名の「鍛冶島」というところからもうかがえますね。

朝廷に仕えようとするも叶わず、鎌倉へ行く途中でここに留まったのが始まりと言われています。
戦国時代には武田方の謀者として遠江国樫の木山(山道農兵隊)と呼び、三方が原の戦いに続く武田信玄の西上作戦では信頼が寄せられた秘密の地方衆でした。

現在の友田家当主はなんと47代目という歴史を感じさせるところです。

今の建物は1700(元禄13)年に南隣地から現在地に移ったといわれ、静岡県下の現存住宅では最も古い部類に入ります。柱や梁の一部は以前の建物と見られる部材が転用されています。間取りも遠州地方の古農家に見られる「片喰違い型」という、台所の一部を土間に、また広間を二室に分けた造りになっています。

方喰違い型という遠州独特の間取りです

友田家はこの土地を開発した本家であったことから、江戸時代も代々庄屋としてこの村の指導をしてきました。

『ここは村役場みたいな場所で、みんながここに集まって話し合いをしてたんだよ』

『この屋根もすごいだろう??今から20年くらいまえに茅の葺き替えされたんだけど、数千万円かかったらしいぞ』

す、すうせんまんえん?!
そんなにスゴイお家なんだ、ここって…

屋根をつくれる職人さんも少なくなってきているそうです

昔ながらのごはんは美味しい!

『このかまどで炊くごはんが、甘くて美味しいんだよ。火加減と炊き蒸らしがお米を美味しくするんだ。炊き立てお米のツヤが違うんだぞ』

ツヤツヤの光るご飯がおいしく炊けます!

そんなごはん、よだれが出て来ちゃうよ~
でも屋根がワラだから、煙がそのまま屋根から出ちゃうよね…
火事だって間違われないのかな…

『囲炉裏でも火を使うだろう?こうした煙のすすがお家のコーティングをして、長持ちさせてくれるんだよ』

囲炉裏の煙が家を守るんです

これはバーベキューみたいだね!
そうかぁ。煙をわざと出してるんだね。昔のお家は今と全然違うなぁ。
ばあちゃんのお家に近いかも。

『ここ、重要文化財なのに実は泊まれるんだよ』

1泊4千円で宿泊できます(1日1組限定)

さっきお出迎えしてくれたおばあちゃんが、いろいろしてくれるんだ。
泊まった人の感想もノートに書いてあったよ。

みなさん癒されにきて、満足♪

これだけ広いとどこで寝るか迷っちゃうよ!
ぼくもかまどのご飯食べて、囲炉裏でバーベキューしたいな~。
トイレも水洗になってるし、お風呂も壁がひのきなんだね。

『次の休みに来れるか、お願いしてみようか』

それは楽しみだね!
お肉をたくさん持ってって、あそこで炙って食べるんだ!
今度は小次郎(飼ってるワンコ)も連れてこようよ!

『小次郎は外でお泊りになりそうだけどなあ(笑)』

………
宿泊をする場合は事前予約が必要ですが、
4000円/1名(素泊まり)20名まで宿泊することが出来るそうです。
晩ご飯は各自持ち込みになりますが、朝食は予約をすれば1000円程度で準備もしてくれると言う話でした。

普段行かない土地でゆっくりと、ぼーっとしたり語らう時間って大事ですよ。
平成元年に隣りの脇屋を新築するまで、30年実際に住んでいたお家。暑い夏でも心地よい風が通り抜けます…
おばあちゃんお手製の冷や甘酒もあり、ちょっと立ち寄ってくつろぐのにもおすすめです。

友田家住宅
住所 〒437-0202 静岡県周智郡森町亀久保336
電話 0538-87-0221
FAX 0538-85-5259
URL https://www.mori-kanko.jp/touristdetail/tomoda.html
駐車場 無料
静岡県周智郡森町亀久保336

ABOUTこの記事をかいた人

藤村紀和

今日もバイクの街はーまつが生んだポンポン「スーパーカブ」で走る、遠州率は100%・歴史(徳川よりも今川派)とスイーツ(毎週ソフトクリーム食べてます)と都市伝説が好きな、セールス売上げ着火ライター